2009年11月20日

BN1,100円シリーズ、最後の1枚は濃いラテンアルバム

以前の記事で「BLUE NOTE BEST & MORE 1100」の第3弾に触れた時に、50枚目がどーしても調べ切れませんでした…ということを書いたのですが、ようやく情報が出た公式webによると、あと1枚はサブーの「パロ・コンゴ」なんですね。

驚きました。第2弾から面白いセレクションを見せてくれましたが、この第3弾でも「またやってくれたな〜」と思いました。というのも、このアルバムは「最もブルーノートらしくない」ブルーノートのアルバムで、ギター・ヴォーカルそしてコンガを中心とした、完全なラテン・ミュージックなんですね。




輸入盤は↑こちらです。

このサブーとはキューバ出身のコンガ奏者サブー・マルチネスのことで、私がすぐに思い浮かぶのはホレス・シルバーの「Horace Silver Trio」で1曲だけ参加している(しかもアート・ブレイキーとの打楽器デュオ)ということぐらいです。
そのサブーがキューバのキューバの至宝アルセニオ・ロドリゲスを迎えて1957年に録音した異色作が、この「パロ・コンゴ」です。

メンバーの構成がまたユニーク。総勢7人、使ってる楽器はギター・コンゴ、それとベースだけ。それに5人のヴォーカルが入ります。

Louis "Sabu" Martinez(conga,g,vo)
Arsenio Rodriguez(conga,g,vo)
Raul "Caesar" Travieso(conga,vo)
Israel Moises "Quique" Travieso(conga)
Ray "Mosquito" Romero(conga)
Evaristo Baro(b)
Willie Capo(vo)
Sarah Baro(vo)

私「最もブルーノートらしくない」などと書いてしまいましたが、ブルーノートの一般的なイメージからは到底予想できない音が飛び出すという意味です。しかし実はブルーノートはハードバップやファンキーだけでなく、クラブジャズの聖典にもなっているソウルフルなフュージョンまでカヴァーする、まさに「グルーヴの塊」とも呼べるレーベルなので、こういった作品があっても全然不思議ではないんですね。

すでにRVGエディションで輸入盤が出ていることもあり、現在では決して入手困難なアルバムではありませんが、この1,100円シリーズの期待以上に面白いラインナップにさらに花を添える名盤として、「EMIさん、よくぞ出してくれました!」と強く言いたいです。
※11/22、記事内容に誤りがあったため修正しました
posted by Akira at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ブルーノート70周年

2009年11月16日

ブルーノート名手達の再会コンサート『One Night WIth blue note』

ブルーノート70周年に因んだ?のか、東芝EMIより「ワン・ナイト・ウィズ・ブルーノート」のDVDが、先日再発されました。



HMVはこちらより購入してください。

これは、1985年2月22日にニューヨークのタウンホールにて開催されたライブの記録映像で、長らく休止状態にあった同レーベルがEMI傘下に入ったことで発足した"新生ブルーノート"の復活コンサートとして、第1回新譜の発売日と同じ日に行われました。
新旧のブルーノートのジャズマンが一堂に会した超スーパーライブで、旧ではアート・ブレイキー、フレディ・ハバード、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムズ、ジョー・ヘンダーソン、ボビー・ハッチャーソン、マッコイ・タイナー、ケニー・バレル、ジミー・スミス、ジャッキー・マクリーン、セシル・テイラー…などが参加し、新メンバーではミシェエル・ペトルチアーニやスタンリー・ジョーダンなどが名を連ねました。

しかし凄いメンバーですね。ちょっとしたジャズフェスでも、これだけの豪華なメンツは集まらないでしょうね。
このライブ、以前にCDで耳にしたことがあり、輸入盤でDVDも出ているのは知っていましたが、東芝EMIより再発されると知ってすぐに購入しました。

いや〜本当に涙モノのライブ映像です。いきなり「カンタロープ・アイランド」で、ショーター抜きのVSOP(テナーにはジョーヘン参加)が熱い演奏を繰り広げているんですから。
他にも「モ−ニン」や「アポイントメント・イン・ガーナ」「ブルース・ウォーク」に「ジャンピン・ザ・ブルース」など、ジャズファン・ブルーノートファンなら泣いて喜ぶ名曲がたっぷり。
むしろ新鋭のミュージシャンはあまり目立たず、ペトルチアーニがチャールズ・ロイドとのカルテットで演奏しているのと、スタンリー・ジョーダンの超技巧を映像で観られるぐらいのもので、ちょっと寂しかったです。

この種のコンサートは概して「お祭り」になりそうな雰囲気があるのですが、そういったユルい感じはほとんどありません。どのミュージシャンも、音を楽しみながらもピンと張り詰めたレベルの高い演奏を展開しています。
それでもちょっとダレてきたかな…と思った頃、最後のトリとしてセシル・テイラー先生の弾くものごっついピアノ・ソロ「ポントス・カンタドス」が待っています。
このソロ、本当に凄いです。演奏ももちろんですが、白髪ドレッド(単に洗ってないだけかも知れませんが…失礼)の髪を振り乱してピアノを叩きまくるセシル先生の姿…これだけでも買って観る価値は十分あるのではないでしょうか?終わった後、一試合終わったような妙な疲労感に包まれますよ。

余談ですが、このコンサートには、既にレーベルを他人に譲り渡して引退生活を送っていたアルフレッド・ライオンがゲストとして参加、これを機に再びブルーノートの音楽に情熱を傾けるようになった(この2年後、永眠)というエピソードがあり、それを思いながら映像を観ていると胸が熱くなりそうです。

曲目とミュージシャンを書き出しておきますので、ご参考に。
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posted by Akira at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ブルーノート70周年

2009年11月14日

クリスチャン・マクブライド、3年ぶりのリーダーアルバム『Kind of Brown』

今年良かった新譜シリーズ、2枚目は現代最強のベーシスト、クリスチャン・マクブライドの3年ぶりのリーダー作『Kind of Brown』です。

発売当初、大阪のラジオ局FM COCOLOのジャズ番組World Jazz Warehouseで、パーソナリティのクリスさんが「今年5本の指にはいるであろう名盤」として紹介されていました。分かる人は分かっているのですね。

Christian McBride(b) & Inside Straight
Carl Allen(ds) Eric Scott Reed(p) Steve Wilson(sax) Warren Wolf, Jr.(vib)

ベース奏者のリーダー作ということでバリバリのベースアルバムを想像しがちですが、そういう重たい感じは無く、実に肩の力の抜けたオーソドックス(良い意味でね)で洗練されたジャズの名演が揃っています。
一言で言うと、何と言っても「曲」が良いのです。全曲覚えやすいメロディーで、すーっと入って行けます。最近のアメリカ発のジャズは先鋭的な表現を求めるあまり、音を楽しむというアプローチではついて行けない…と思える部分もあり、それが欧州発のジャズに人気の集まる1つの要因だと思うのですが、そういった難解なものが一切ない。加えてメンバーのソロは現代アメリカンジャズの高いレベルをキープしているということで、ジャズ歴の浅い人も深い人も引き込まれる要素は十分にあります。
特に#4の『Starbeam』、#6の『The Shade of Ceder Tree』のメロディーが、私は好きです。

楽器ではWarren Wolf, Jr.のヴィヴラホンが、この爽やかなサウンドにマッチしていますね。
ぜひ、聴いてみてください。

また、このアルバムのライナーノーツは、ジャズナビゲーターの高野雲さんが書いていらっしゃいます。ジャズライター・ラジオパーソナリティーの分野でもプロとして大活躍されている方ですが、アマチュアのジャズブロガーにとって心強いお味方でもあります。

というわけで、いつもは輸入盤を買うよ!という人も、このアルバムに限っては、ぜひ国内盤を買ってくださいね。キングレコードの「低音シリーズ」が目印です。


【カインド・オブ・ブラウン(国内盤)】
posted by Akira at 13:26| Comment(2) | TrackBack(0) | JAZZあれこれ

2009年11月11日

シダー・ウォルトンの新譜『Voices Deep Within』

次回のSunday at Jazz Clubの例会テーマは「今年最も良かったジャズCD」の持ち寄り大会なのですが、今年もあと2ヶ月足らずとなり、私自身も今年聴いて良かった新譜を整理しておきたいと思います。

まずはシダー・ウォルトンの今年リリースされた新譜『Voices Deep Within』を挙げたいですね。



村上春樹の音楽エッセイ集『意味がなければスイングはない』(文春文庫)で「強靭な文体を持ったマイナー・ポエト」と評されていた超ベテランピアニスト、シダー・ウォルトン(現在75歳)のリーダー作です。
Cedar Walton(p) Buster Williams(b) Willie Jones V(ds) Vincent Herring(ts)

シダー・ウォルトンのオリジナル3曲を含む8曲が収録。特に#1の【Voices Deep Within】はリリカルなピアノから始まり、次第に力強いサウンドに移行していくアレンジに引き込まれます。
スタンダードでは【Naima】が秀逸。おなじみコルトレーンの曲ですが、あまりに深い演奏なので、何かつながりがあるのかな?と思っていたら、あの『Giant Steps』収録の【Naima】はシダー・ウォルトンも伴奏をしているんですね。
ただし本テイクはウィントン・ケリーがピアノを弾くバージョンで、シダーのピアノはCDに別テイクとして収録されているのですが。
また、テナーのヴィンセント・ハーリングが4曲に参加。私、久々に聴きました。確かアルトサックス奏者としてデビューしたはずですが、テナーに転向したのでしょうか?シダーのピアノが入れたカウンターを瞬時に自分のソロに取り込んでしまうパートには、余裕と上手さを感じ取れます。

シダーさん、1934年生まれなので御歳75歳なのですが、来年早々にも日本にもツアーで来るそうで(やはり東京の「コットン・クラブ」のみですが…)、まだまだ現役真っ盛り。恥ずかしながらシダー・ウォルトンというと、JMでの活躍を除けば「玄人好みの堅実なピアニスト」という印象しか無かったのですが、今やあの時代を知る最高のジャズ・ジャイアンツの1人としてキラキラ輝いていますね。
posted by Akira at 01:15| Comment(2) | TrackBack(0) | アルバムレビュー

2009年11月09日

11月の例会も盛況でした

「Sunday at Jazz Club」11/8(日)の例会は、メイン企画「ブルーノート名曲名演数珠つなぎ」ほか、盛りだくさんの内容でした。

「ブルーノート名曲名演数珠つなぎ」は、ブルーノートに録音された数多くの名曲・名演の中から、無造作に選んだ11曲を、ほぼノンストップで流すという企画でした。
曲名は例によって書けませんが、ホレス・パーランに始まりジョニー・グリフィンの黒〜い演奏、デューク・ジョーダンにアイク・ケベックのブルージーなあの曲、ケニー・ドーハムにホレス・シルバーのファンキーでダンサブルな曲、ジャンキーだったマイルスが残した名演、ボビー・ハッチャーソンの爽やかなバラード、ジミー・スミスの黒いオルガン…などなど、無造作に選んだ割には面白いラインナップになりました。

また、LPしかお持ちでない参加者の方が、エドモンド・ホールなど貴重なブルーノート・クラシックのジャケットを披露していただくという企画もありました。BGMにはテディ・バン(g)などの音源がチョイスされ、普段聴かない時代の音源を聴ける貴重な機会がありました。

基本的にはお喋り自由(ただし聴いている人の邪魔にならない程度で)、珈琲とお菓子を食べながらゆる〜くジャズを聴くという趣旨の会です。決して腕組みして唸りながら聴くという雰囲気はありません。
加えて、「この素晴らしい演奏を他人にも聴かせたい」という、ジャズが好きな人ならあって当然の欲求も満たせます。モダンはもちろんヴォーカルにトラッド、日本のジャズや新譜も大歓迎です。

次回の例会は12/13(日)、特集は「持ち寄り大会:今年最も良かったジャズCD」 です。
恒例の年末持ち寄り大会。皆様の今年最も気に入ったCDをお待ちしております。
新譜はもちろん、お薦めのジャズCDなら何でも良いので、どんどんお持ちください。
※できるだけ全員のお薦め音源を紹介したいので、「原則1人15分以内」とさせていただきます。
※参加者多数の場合、事前にご予約いただいた方を優先させていただきます。
posted by Akira at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | Sunday at Jazz Club

2009年11月08日

11/8(日)例会は「ブルーノート名曲名演数珠つなぎ」他、色々あります

ジャズを「おなかいっぱい」皆さんと一緒に楽しむリスニング会Sunday at Jazz Club、次回例会は11/8(日)です。

テーマは「ブルーノート名曲名演数珠つなぎ」。今年は同レーベルの設立70周年ということで、色々な企画やイベントが開催されています。
今回の企画は、ブルーノートの名演名曲を厳選?して「超黒っぽい曲」、「まったりとブルージーな曲」、「イントロのドラムがカッコ良い曲」、「爽やかなラブ・バラード」など、曲調でカテゴリ分けしたラインナップで、50分強ノンストップで流してみたいと思います。

そのほかの企画:
「レコードジャケット紹介:初期のブルーノート」
参加者様にお好きなLPの貴重盤ジャケットをBGM付きで披露・解説していただくコーナーです
「映像:Wimen in Jazz 1936〜46」
「今月の新譜」

持ち寄りもお待ちしております。
※次回は30分程度しか取れませんので、当日持ち寄りの方は1曲程度となります。ご容赦ください。
※事前予約の方を優先とさせていただきます。

会費:700円(珈琲または紅茶・お菓子付き)
会場:大阪天五 バンブークラブ
会場へのアクセスはこちらを。

途中参加・退席自由。予約も不要です。
ただし珈琲とお菓子のサービスが3時頃にありますので、できればその時間までにお越しください。
そろそろ冬の足音が聞こえて来ていますが、暖かい珈琲でも飲みながら、お気軽にジャズを楽しんでください。お待ちしております。
posted by Akira at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Sunday at Jazz Club

2009年10月31日

ブルーノート1,100シリーズ第3弾の情報をちょっと早く

ブルーノートの名盤150タイトルを1,100円でリリースする「BLUE NOTE BEST & MORE 1100」、第3弾は12/9発売と、じわじわ近づいてきているのに、なかなか公式webにも情報が掲載されませんね。来週あたりは出るかも知れませんが…
まだ見ぬあの名盤この珍盤が、今回こそ復刻されているかやきもきしているファンは、決して私だけではないはずです。

という事で、公式webに先駆けて、「BLUE NOTE BEST & MORE 1100 第3弾」50枚の情報をアップしておきます。

今回は何といっても1940年代後半〜50年代前半のアーリーモダン(私の造語です)のアルバムが、入手困難なものも含めて多数復刻されており、第2弾に引き続き面白いラインナップとなっているようです。

注目のアルバムを挙げておきます。


【Herbie Nichols Trio / Herbie Nichols】
ブルーノートのアルフレッド・ライオンが「これ」と見込んでプッシュしたピアニストといえば、セロニアス・モンクとアンドリュー・ヒル、それとハービー・ニコルスの3人と言われていますが、大成したのはモンク1人で、特にハービー・ニコルスはその難解なスタイルのせいか、広く世間に認められぬままでした。そのハービー・ニコルスのアルバムが、代表作の【Herbie Nichols Trio】を含め、3枚もリリースされます。


【Introducing The Elmo Hope Trio / Elmo Hope】
これまたレアな音源ですね。エルモ・ホープもアーリーモダン期にデビューしたピアニストです。


【Fabulous Fats Navarro Vol.1 / Fats Navarro】
ファッツ・ナヴァロについては説明する必要もありませんね。ディジー・ガレスピー直系の最高のバップ・トランペッターです。


【Milt Jackson / Milt Jackson】
MJQでも有名なヴァイブのミルト・ジャクソン、初期の録音です。ルー・ドナルドソン(as)のソロも光る「バグス・グルーヴ」は名演としても名高いです。


【Tal Farlow Quartet / Tal Farlow】
超技巧派の白人ギタリスト、タル・ファーロウはブルーノートでデビュー盤をリリースしました。グラント・グリーンもケニー・バレルもまだデビューしていないこの時期(1954年)、タル・ファーロウ/サル・サルバドール/ルーメッカの白人ギタリストがブルーノートの顔であったというエピソードは、なかなか面白いですね。


【Piano Interpretations / Wynton Kelly】
マイルスやウエス・モンゴメリーとの共演で有名なウイントン・ケリーもブルーノートがデビュー盤です。19歳での初録音だそうですね。これは絶対聴きたいです。


【Introducing The Kenny Drew Trio / Kenny Drew】
これも今回の目玉盤だと思います。リバーサイドの例の名盤ではなく、ブルーノートの「ケニー・ドリュー・トリオ」です。バド・パウエルを思わせるテクニシャンぶりが遺憾なく発揮されており、ドリューがパウエルの強い影響を受けていたことがよく理解できます。

このほか、ユタ・ヒップが3枚、ケニー・バレルが4枚、おなじみのルー・ドナルドソンも4枚と、こだわりの見られるセレクションとなっています。
以下、ラインナップを列挙しておきます。
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posted by Akira at 16:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ブルーノート70周年

2009年10月29日

1949年パリ・フェスティバル・インターナショナル〜若き日のマイルス

先日ボックスセットの記事を書きましたが、相変わらず買おうか買うまいか…と悩みながら(結局やめましたねどね)ネットを彷徨っていたら、1949年のライブ盤【パリ・フェスティバル・インターナショナル】のコンプリート盤を見つけました。


これまで仏コロムビアからリリースされているアルバムが、「公式盤」として流通しており、これが日本のソニーミュージックからも発売されていましたが、このコンプリート盤はさらに4曲追加されています。

10. The Squirrel
11. Crazy Rhythm
12. All The Things You Are
13. Blues Finale

これから購入を予定される方は、断然こちらをお薦めします。ボーナスもそうですが、最後の「Blues Finale(私の持っているブートは『Farewell Blues』という曲名)」は貴重なドキュメントです。
というのも、このフェスティバルの目玉であったチャーリー・パーカーと、マイルスを始めケニー・ドーハム、シドニー・ベシェ、ドン・バイアスやジェームズ・ムーディーなど、当時のジャズの新旧大スターと地元のミュージシャンとが入り乱れてセッションをしているのです。
中でもシドニー・ベシェが登場したときの、ひときわ大きな歓声を聞くと、当時の欧州ジャズシーンのトレンドを垣間見るようで面白いです。あと、ここでのパーカーは手を抜いているのかな?と思わせるほど緊張感の無いソロ(ほとんど『ビリーズ・バンス』)を吹いていて、これも笑えます。

例のボックスセットに収録される予定の、このライブ盤のボーナス曲はまだ不明なのですが、おそらくこのコンプリート盤のトラック以外のものは出ないでしょうね。
非常に音の悪いライブ盤で、それゆえ初心者向けではないのですが、この辺りのライブ録音にはスタジオ録音ではなかなか聴けない、エネルギーを発散させている若き日のマイルスを聴くことができるのです。しわがれる前のマイルスの声もアナウンスで聴くことができますしね。
40年代後半のマイルスといえば「クールの誕生」しか知らないファンにも、いつかぜひ聴いてもらいたいです。
この時代の、ジャズという音楽に対するアメリカと欧州との温度差も垣間見られます。
posted by Akira at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | アルバムレビュー

2009年10月26日

映画「パンドラの匣」

ジャズとは直接関連ないのですが、音楽をあの菊地成孔さんが担当しており、しかも私の好きな太宰治が原作ということで、映画パンドラの匣を見に行きました。

ジャズ界ではベニー・グッドマンが生誕100周年ということですが、同じく太宰治も生誕100周年。ということで、この作品のほかに「ヴィヨンの妻」や「人間失格」が次々と公開されますが、私はこの「パンドラの匣」に一番関心がありました。原作が好きだということもありますが、上記のように菊地成孔の音楽と、芥川賞作家として有名な川上未映子が、なんと女優として(しかも、あのナニワの看護婦長「竹さん」役で)出演しているという点が面白そうだったからです。

どうでも良い話ですが、川上未映子さんと私、ごく近くに住んでいたことがあるようです。一応ご近所さんだったことになります。面識はもちろんありませんが…。

「パンドラの匣」というおどろおどろしいタイトル、何だか怖いストーリーのような印象がありますが、実は風変わりな結核療養所で病を癒す少年ひばりと、個性の強いスタッフや患者との暖かい交流を描いた青春モノです。

原作は結核という(当時は)死の病に侵されながらも、不思議と明るいトーンで綴った小説ですが、映画は想像以上にポップなタッチで描かれていて、こういう予想外もなかなか楽しいものです。
キャスティングも、そんなに派手ではないけど、なかなかの名優ぞろい。主役の染谷将太くんの「ひばり」も、繊細な顔と太い声のアンバランスがなかなか印象深くて良かったですし、彼と年上の女性である「竹さん」役の川上未映子さんとのカラミ(変な意味ではなく)がこの映画の軸でしたね。
ふかわりょうの演じたインテリ大学生のユニークさは、ついつい笑ってしまいましたが。

ちなみに菊地成孔さんの音楽ですが、現代音楽調のものが多かった印象です。残念ながらサックスは吹いてませんでしたが、テーマ曲「パンドラの匣〜愛のテーマ」では、UAとの共演【CURE JAZZ】などで披露した繊細なヴォーカルを聴かせてくれます。この人本当に多才ですね〜。


また劇中では、看護婦の皆さんが歌うシーンで、婦長の川上さんがギターで伴奏をつけるシーンもあります。そういえば彼女は元?ミュージシャンでしたっけ。音楽面でもなかなか見るもののある映画でした。

実は私、太宰ファンとか言いながら、ここ数年全く読んでもいませんでした。すっかり埃にまみれてしまった文庫本を引っ張り出して、久々に太宰を読み返しております。
太宰というと「斜陽」や「人間失格」などの暗い作品で語られがちですが、とくに後期の作品はこの作品をはじめ、ユーモアにあふれたものが目立ちます。遺作の「グッドバイ」などはストーリー的には喜劇のようなタッチですしね。
映画化される残りの2作品も絶対に観ようと思っています。
posted by Akira at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | JAZZあれこれ

2009年10月22日

マイルスのコロムビア完全盤が…

マイルスマニアの方には「遅っ!」と言われそうな話題ですけど、マイルス・デイビスのコロムビア時代における全アルバムを詰め込んだ「マイルス完全限定生産71枚組セット」がリリースされるそうです。



HMVの記事はこちらです。

もう既にamazonのランキングではノラ・ジョンズや上原ひろみを抑えて、堂々1位になってしまっていますね…

1949年の【パリ・フェスティヴァル・インターナショナル】に始まり、1985年の【オーラ】まで、全52タイトルのアルバムを紙ジャケットで収録。
ここからが気になるのですが、お楽しみの特典は…
・全250ページに及ぶブックレット
・1967年の黄金クインテットによるヨーロッパライブDVD
・1970年のワイト島ライブ録音をフル・バージョンで収録
・【パリ・フェスティヴァル・インターナショナル】など4タイトルで、未発表のボーナストラック

特に最後のボーナス曲は、マイルスマニアなら絶対に聴いてみたいですね。1949年のパリのライブ盤に未発表ってあったんですね〜。もしかしたら最後にパーカーを含む全員で演奏したジャムセッションですかね?

またワイト島のライブ録音ですが、公式では初の発売ということなのですが、既に映像も音源も非公式でリリースされています。マイルスマニアなら皆さんご存知ですよね?
気になるのは、これらとどう違うのかな?という点だけですが…やっぱり惹かれますね。
↓この3枚組ライブ盤に入ってます。


買おうかどうしようか、う〜む悩む(笑)。ほとんど全部聴いてしまってるし、それよりも10年かけて集めた音源(非公式のものも含めて)が3万円ちょっとでぜーんぶ手に入ってしまうというのは、嬉しいようでちょっと複雑な気持ちなのです。

ともあれ、マイルスの音楽(あえて"マイルスのジャズ"と呼びません)は、本当に音楽が好きなら一生の財産として持っておいても絶対に損は無いので、これからマイルスを聴いてみたいと思う人は、ちょっと高いですが、どこかの舞台から飛び降りたような気持ちになって、購入されることをお薦めします。
posted by Akira at 23:15| Comment(3) | TrackBack(0) | JAZZあれこれ